20.3. 群集生態学
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近接して生育し相互作用している種の集合
例. ケニアのサバンナ群集
種間の相互作用
個体群に対する効果によって分類される
有益な効果(+)あるいは有害な効果(-)がある
相互作用の効果
両方の種にとって負(-/-)
e.g. 2種の個体群が食物や空間を奪い合う
両方の種にとって利益(+/+)
e.g. 花と受粉者の相互作用
一方に利益、他方に不利益(+/-)
e.g. ある種が別の種を捕食する
種間競争(-/-)
限られた資源をめぐる種内競争は、最終的に個体群成長を制限する
ある種の個体群成長が、同種の個体群密度と、競合する他社の個体群密度によって制限される
群集における種個体群が、たがいに競争するかどうかを決定する要因
環境における生物的資源と非生物的資源の利用の総和
キムネズアカアメリカムシクイとよばれる小鳥の生態的地位は、営巣場所、巣を作る材料、餌となる昆虫、降水量や気温や湿度のような生存を可能にする気候条件など よって、これら2種が同じ空間に生育した場合、たがいに競争することになる
生態学者はアリゾナ中央部の群集で、これら2種の鳥の個体群に対する種間競争の影響を調べた
2種の鳥をそれぞれ除去する実験が行われた
一方の種が除去されると、残された種の繁殖(育雛)は有意に成功した よって、種間競争は領主の繁殖成功(適応度)に対し、直接的に負の影響を与えていた 2種の生態的地位が類似している場合、両種は同じ空間で共存できない
まず、2種それぞれの個体群を別々に同じ条件下で培養し、各種の環境収容力を明らかにした それから、2種の個体群を一緒に」して培養した
2習慣経過すると、P. caudatum個体群は、崩壊した
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ガウゼはゾウリムシ2種の資源要求はよくにているので、競争で有意な種P. aureliaがP. caudatumの資源を奪ったと結論づけた
相利共生(+/+)
両種が相互作用から利益を受ける
相利関係は、花や受粉者のように共生していない種の間でも生じる 外骨格の形成は侵食を上回り、成長の早い階層との空間をめぐる競争を凌ぐ必要がある
巨大なサンゴ礁は、サンゴのポリプの細胞に生育している数百万の藻類によって形成される また、サンゴ礁は、生態系の華麗な多様性を支える食物、隠れ場所、生育空間などを提供する
藻類が光合成によって生産する糖類は、サンゴ動物が利用するエネルギーの少なくとも半分を提供する 一方、藻類は光を受容するための隠れ場所をサンゴ内に確保できる
捕食(+/-)
捕食は被食者の繁殖成功に負の影響を与えるため、捕食者を回避するために数多くの適応が、被食者の個体群において自然選択を通して進化してきた たとえば、ある被食種はプロングホーンのように、捕食者から逃れるために速く走る 適応的な彩色は、多くの動物で進化した防御の一つ
被食者と背景を見分けにくくする
黒色と黄色、赤色、オレンジ色の鮮やかな模様で、効果的な化学的防御をもつ動物を特徴づけている
捕食者は、これらの模様を、まずい味や痛みのような不快な結果と関連づけて学習し、類似した模様をもつ被食者を避ける 被食者は擬態を通して、有効な防御機構を得ることもできる ある昆虫は、体の構造を成功に偽装させた適応と一体化した防御職を持っている
外見が枝、葉、鳥の糞に似ている昆虫がいる
アルシュは脊椎動物の十分な模倣になっている
たとえば、スズメガの幼虫の背面の色は、効果的なカムフラージュとなっており、攻撃を受けると幼虫はひっくり返り、覆面にヘビの目のような模倣を見せる https://gyazo.com/a5973657efbc5efbdc1ebc18826df55b
脊椎動物の目に似た眼点は、蛾や蝶のいくつかのグループに共通している 大きな「目」を一瞬見せることは、捕食者に見せかけて脅かせることになる
また、ある種は眼点によって、捕食者の攻撃を体の重要な部分からそらせようとする
草食(植食)(+/-)
動物による植物体や藻類の消費
植食は植物にとって致命的ではないが、動物に部分的に食べられた植物は、被食で失ったものを再生するためにエネルギーを消費しなければならない
よって、植物には、植食者に対する多くの防御が進化した
とげや針は明らかに植食者に対する工夫
有毒な化学物質
動物の化学的な防御と同様に、植物の毒は、捕食者を嫌悪させ、植物を回避させることを学習させる ある防御化学物質は、植食者にとっては有害だが、人間にとって毒ではないものもある
一部の植物は、昆虫が食べたらその成長を異常にする化学物質を作る 化学会社は、農薬をつくるため植物の毒の特性を利用してきた
寄生と病気(+/-)
どのような寄生者個体群においても、宿主の上で最も良い場所に位置して採餌する個体の繁殖成功が最も大きくなる
たとえばある水生のヒルは、まず水中を動き回って宿主の位置を特定し、それから宿主の体温や体表炭化水素によって確認する 在来でない病原体は急速で劇的なインパクトを与えるため、病原体が群集に与える影響を調査する機会を提供する
アメリカグリはかつて、北アメリカの森林群集で優占していた林冠種で、病気の伝染で減少し、それに伴い群集の組成や構造に大きな影響が生じた アメリカグリと競争していたナラやクルミはより数を増やし、結局、樹木の多様性は増加した 枯死したアメリカグリは、昆虫、樹洞に営巣する鳥、さらには分解者のような他の生物のニッチも提供した
栄養構造
群集における種間の摂食関係
群集の栄養構造は、植物やその他の光合成生物から植食者や捕食者に至る、エネルギーや栄養素の経路を決定する
栄養段階の間の食物移行の系列
https://gyazo.com/4e0222ec1b9fc7cea12aa3119e6f40bc
すべての消費者は、直接的あるいは間接的に生産者の生産物に依存している
植物、藻類、光合成プランクトンを摂食する
海中生態系では、おもに動物プランクトンを摂食する小型の魚類 ほとんどの群集は二次と三次の消費者をもつ
条件によってより高次の栄養段階をもつこともある
一部の消費者は、すべての栄養段階から発生する生物遺体(動物の排泄物、植物の落葉、死亡器官を含む)、いわゆるデトリタス detritusからエネルギーを得る それらはあらゆる消費者段階の位置を占め、生物遺体の資源に依存する
土壌、水や海の底の泥には、膨大な数の微小な分解者が分布し、群集における有機物のほとんどを無機化合物に分解し、植物や光合成プランクトンがそれらを利用できるようにしている 生物学的濃縮
これらの化学物質が生物の消費に取り込まれた場合、生物はこれらを代謝できず、体内に保持される https://gyazo.com/dd6a636ec42921cc612a3567d1dbe40b
動物プランクトンは、水中に溶け込んだPCB類に汚染された光合成プランクトンを摂食する
消費者のそれぞれは、多くの光合成プランクトンを摂食するため、PCBの濃度は上位の栄養段階を占める個体ほど高くなる
食物連鎖において、消費者の組織中の有毒物質が蓄積していくこと
セグロカモメの卵のPCB濃度は光合成プランクトンのそれの約5000倍になり、汚染された卵のほとんどが孵化せず、繁殖成功の減少を引き起こす 食物網
食物連鎖が分岐していない単純な群集はほとんどない
異なる段階の消費者だけでなく生産者も食べる
人間を含む
群集における摂食関係は、網のように張り巡らされている
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群集の種多様性
群集における異なる種の数
群集における種の個体数の相対的な割合
種多様性を記述する場合、これら両方の要素が重要であることを理解する
https://gyazo.com/879657ad0b2068485908f928e40244a1
どちらも4種の樹木を見るので、種の豊かさは同じ
森林Bは単一種が優占していないので、より多様に見えるかもしれない
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森林Aにおける1種の相対優占度が、森林Bにおけるその他の3種の相対優占度よりも高いことを示している
よって、種多様性は森林Bで高くなる
植物は多くの動物にとっての食物や隠れ場所を提供するため、多様な植物群集は動物多様性を促進する
現存量や数が少ないにも関わらず、群集に対して影響を与える種 「キーストーン」は、アーチ橋の最上部の楔形の石に由来
キーストーンが取り除かれると橋が崩壊する
キーストーン種は、群集の種組成を適切に維持する生態的地位を占めている 群集における潜在的なキーストーン種の役割を調査するため、生態学者はある種が存在する場所と存在しない場所の多様性を比較する
Piasterのおもな餌であるムラサキガイは、その他の海岸生物(藻類、フジツボ、巻貝など)の多くを、空間資源をめぐって競争排除することがわかった 実験区の種数は15種から5種以下まで減少した
生態学者は、生態系の構造において重要な役割を担う他の種を特定した
たとえば、アラスカ西海岸沖のラッコの減少は、ラッコの餌であるウニ個体群を増加させていた ケルプのような海藻を摂食するウニの豊富さは、ケルプの「森」とそれらが支える海洋生物の多様性を消失させていた 多くの生態系にとって、生態学者は、種間の複雑な関係について理解し始めている
個々の種の価値は、それらが消失するまで明らかにならないかもしれない
群集の自然撹乱
生物学的群集に損害を与える出来事で、少なくとも一時的に生物を破壊し、無機栄養素や水のような資源の利用可能性を変化させる
撹乱の影響を理解することは、ヒト個体群に対する潜在的な影響があるため、特に重要
たとえば、人間が引き起こす撹乱の結果の1例は、今まで知られていなかった感染症の発生 感染症の3/4は、他の脊椎動物の病気が人間に感染するようになったもの 多くの場合、人間は、農業の開墾、道路建設、狩猟のようなかつては孤立していた生態系における活動を通じて、病原体と接触するようになった
生育地の破壊も、病原菌を運ぶ動物が採餌のために人間の居住地に近づく原因となっており、我々を危険にさらすことにつながっている
小規模の自然撹乱は、生物学的な群集に正の効果を与えることもある
たとえば、大きな樹木が暴風で倒れた場合、それは生物にとって新たな生育場所を提供する
より多くの光が林床に達し、小さな実生が成長する機会が与えられる
生態学的遷移
撹乱された場所には、さまざまな種が入植し、それらは他の種の遷移によって徐々に置き換わっていく
そのような場所の例は、火山島の冷却した溶岩流や氷河が後退した礫地
岩石が風化し、初期の入植者の生物遺体が分解されて有機物が蓄積するに従って土壌がしだいに発達してくる
地衣類やコケ植物は、やがて、近くから風で散布された種子および動物に運ばれてきた種子から発芽した草本や低木に駆逐される 最終的に、強度に撹乱された場所は、群集で優占する植物によって入植される
一次遷移は数百年あるいは数千年かかる
撹乱が既に存在していた群集を破壊し、土壌はそのまま残った場所で生じる
たとえば、洪水や火事によって撹乱された場所の回復は、二次遷移
二次遷移を導く撹乱は、人間によっても引き起こされる
植民時代の以前でさえ、人間は北アメリカ東部の温帯落葉樹林を農業や居住のために切り払っていた
そのような土地の一部は、土壌の栄養素が枯渇し居住者が新たな土地を求めて西部に移住するに伴い、その後放置された